わたしたちの街にある『量り売りマルシェ』というイベントに行ったことはありますか。『量り売りマルシェ』はお客様自らが持ち帰り用の容器を準備していただき、量り売りされた商品を持ち帰っていただく仕組みを導入することで、プラスチックごみや、フードロス(食べられるのに捨てられてしまう食品のこと、日本では食品ロスと同じ意味で使われています)の削減などに取り組んでいるイベントです。主催の3人、フードクリエイターで料理教室『紫山のごはん会』の主宰佐藤千夏さん、有限会社ジャンボン・メゾンで食に関する商品開発などのお仕事をしている髙崎かおりさん、イベントプランナーで『量り売りマルシェ』のプロデュースをされている渡辺沙百理さん、にお話を聞きたくて、8月23日の『量り売りマルシェ』を訪ねました。

左から、「紫山のごはん会」の佐藤千夏さん、「有限会社ジャンボン・メゾン」の髙﨑かおりさん、「PLANNING LABORATORY」の渡辺沙百理さん。『量り売りマルシェ』を主催している

左から、「紫山のごはん会」の佐藤千夏さん、「有限会社ジャンボン・メゾン」の髙﨑かおりさん、「PLANNING LABORATORY」の渡辺沙百理さん。『量り売りマルシェ』を主催している

―いまは、お客様の来場人数に制限があるんですね。

髙崎さん「新型コロナウイルス対策ということで、時間で区切り、完全予約制で開催しています。」

―お客様は自分で入れ物、容器を持っていらしていますね。

髙崎さん「100%持参されていますね。包装やプラスチック容器を削減できるのと、自分で食べる量を考えて、その分を買っていかれるので、フードロスの削減にもなります。」

―100%はすごいですね。しかも、それぞれ素敵な容器を持ってきていますね。

髙崎さん「お客様からも、こういうイベントをやってほしかったという声をいただき、実際に参加してくださる方たちはイベントの企画の意図も理解してくれていて、容器を持参してくれています。初めて開催した時、お客様って、すごい!って思いました。」

―主催者としては、うれしい反応ですね。

髙崎さん「そうなんです。また、イベント中にお客様が感想を聞かせてくださるので、お店の方たちも手応えを感じてくれているようです。」

『量り売りマルシェ』の様子

―お店の方たちは出店を呼び掛けた時、どのような反応でしたか。

髙崎さん「みなさん、とても興味を持ってくれました。ごみ削減にもつながるイベントに参加したかったと言ってくれる方も多く、いまは出店の順番待ちなんです。」

―それもうれしい反応ですね。

実際に出店するにあたっては、お店の方たちは、その場で量るのは難しいのではないかとか、思われなかったのでしょうか。

髙崎さん「その場で食品の量り売りをしていくとなると、衛生上の不安はありましたね。ですが、それもみなさんと実現に向けて、進めていくなかで、クリアされていきました。実際に始めてみて、改めて、お客様が必要な量で買っていただくことも、お店側が売ることも大事だと思いました。」

―子どもの頃、近所にお豆腐屋さんがあって、お豆腐が入るお皿を持って買いに行っていました。そのことを思い出しました。

髙崎さん「そうそう、昔はありましたよね。」

味噌の量り売り

―佐藤さんは料理教室を主宰されていますが、このイベントの企画を持ち掛けられた時、どう思いましたか。

佐藤さん「わたしは自宅で料理教室を開き、その他にも料理に関する仕事をしてきました。そんななかで、商品開発をするにしても、必ずパッケージの問題が出てきます。環境問題のことを気にはしているのですが、コストのことも考えなくてはいけない。そうなると、考えれば考えるほど、答えが出なくなってしまって、どうしたらいいかわからなかったんです。そんな時に、この企画の話を聞いて、一歩踏み出せる気がしましたね。」

―どうしても安全や安心などの問題に、コストの問題も絡んできますものね。

佐藤さん「料理教室をしているのは、できるだけ手作りの料理をしてほしい、という思いがあるからです。ただ、今のようなコロナ禍の状況になると経済も回していかないといけない、と考えなくてはいけない。なかなか難しい問題です。環境問題も考えるといつもの暮らしのなかにあるものがいろいろとおかしく見えてきます。」

―普段スーパーなどで売っている食材や調味料などは、あらかじめ量が決められているものが多く、それが買う側の当り前になっていますね。

佐藤さん「そうですよね。」

髙崎さん「それがいけないとは言いませんが、それを疑問に思うことも大事なことだと思います。」

蜜蠟(みつろう)ラップの販売も

―フードロスを減らす、ごみを減らすとなると、料理を作る、作れるというのも大事なポイントになると思いますが、佐藤さんの教室ではどのような料理を教えているのですか。

佐藤さん「わたしの教室では、ママのための勉強会があります。それはシンプルなレシピで作れる料理を教えているのですが、小さい子どもがママの足にしがみついていても、できる料理ということも想定しています。」

―それはユニークであるのと同時に大切な気づきですね。料理を作りたくても、状況的に難しいという方もいますよね。

佐藤さん「そうなんですよね。できることとはなにか、というのを常に考えています。教えていると改めて、レシピの大切さにも気づかされます。月に一度、食材をつめて送る『お任せ便』というのがあるのですが、それにも食材に合ったレシピを同封しているんです。」

―食材と料理を作る方のことも考えてのレシピなんですね。レシピを見て、レパートリーが増えた方もいるではないかと思います。

(ここで渡辺さんが登場。イベント時の忙しい時にすみません!)

渡辺さんは『量り売りマルシェ』を始める時、どのように思いましたか。

渡辺さん「これは絶対にいい、すぐに実現したいと思いました。」

―決断が早いんですね。

髙崎さん「渡辺さん、すごかったよね(笑)。当初、『量り売りマルシェ』は多くても二か月に一度くらいかなとわたしは思っていたのですが、渡辺さんは、毎月やりましょうって言ってくれて。」

佐藤さん「そうそう、それで一気に実現に向かったよね。」

渡辺さん「食を通して、環境問題に関する企画をやるのは大切なことだと思いましたし、楽しくできるとも思いました。また反響も出てくると思ったので、毎月できると思ったのです。」

パンもひとつずつの販売になります

―その直感は正しかったということですね。

渡辺さん「SNSで興味のある方がシェアしてくれたり、広めてくれたりするので、反響も多かったですね。」

髙崎さん「イベントの形も新しいですが、広めていく、いわゆる広報の仕方も新しいというか、みなさんが広めてくれるのはありがたいですね。」

渡辺さん「自分たちでも企画してみようと考えている方もいて、そのような広がりもうれしいですし、わたしたちも他のイベントに誘われたりしています。」

―ごみ削減やフードロスのこと、そして、コロナ禍の状況なども含め『量り売りマルシェ』にはたくさんの気づきがありますね。

高崎さん「例えば、テイクアウトなども朝にお弁当箱をお店に預けて、お昼までに作ってもらって、取りにいく、というスタイルもできるのではないかと思います。そうした、ちょっとしたアイディアを出し合うことで見つかることもあるかもしれません。このイベントでも、どうして始めたのかという想いを文章化して、リレー形式でつないでいき、それをまとめて配布しているんです。読んでくれた方がこのイベントをより好きになって、参加してくれたらと思ってのアイディアです。」

佐藤さん「そうした想いをちゃんと言語化して、大人として伝えていこうと思っています。そんな話も3人でよくしています。」

渡辺さん「『量り売りマルシェ』を毎月開催していくなかで、考えさせられることも多いんです。そして、コロナ禍の状況になったことで、場の大切さをいまは改めて考えています。自分たちでできることを継続していきたいと思っています。」

<量り売りマルシェインスタグラム>

<紫山のごはん会HP>

量り売りマルシェ

日時 / 11月7日(土)「立冬の会」、11月26日(木)「小雪の会」、12月19日(土)「冬至の会」、1月20日(水)大寒の会、2月18日(木)「雨水の会」、3月20日(土)「春分の会」(予定)

各日/ 11:00~17:00

予約/ 来場には事前に予約が必要であり、45分ごとの入れ替え制です。

予約は量り売りマルシェのInstagram DM(@hakariuri_marche_sendai)または

メール watanabe.planninglabo@gmail.com から

会場 / 紫山のごはん会 分室(仙台市青葉区通町2-16-24 コクラス北仙台1F)

問い合わせ/watanabe.planninglabo@gmail.com

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