WAKERU NEWS NETWORK

「冷凍保存」は一石四鳥! 食品が長持ちするフリージング術。

「冷凍保存」は一石四鳥! 食品が長持ちするフリージング術。

■食品を冷凍保存する4つのメリット

近年、技術の向上によって家庭用冷蔵庫の冷凍機能がますます進化しています。最新の冷凍庫には大風量での急速冷凍や通常より高い温度での冷凍(-3~-10℃程度)で品質劣化を抑える機能なども加わり、解凍後の食品はますます鮮度よく、おいしく食べることができるようになりました。

そんな時流もあってか、最近は食品の冷凍保存が特に注目されています。冷凍保存をすると、次のようなうれしいメリットが4つもあるという点も、人気に拍車をかけているようです。

食品ロス解消

まとめ買いした食品や量が多い食品の鮮度を長期間保てるため、捨てずに使いきることができる

節約

野菜の価格が高騰した時も、買い置きした冷凍野菜があれば安心。特売でまとめ買いしても、長く保存できるから経済的

時短

食品に下味をつけて冷凍、または調理済の食品を冷凍すれば、食べる前の調理時間の短縮につながる

美味

食品の鮮度を保てるので、仕上がりがおいしい。またキノコやしじみなど、食品の種類によっては冷凍することでうまみが増すものもある

これだけのメリットがあるなら、自宅の冷凍庫で冷凍保存生活を始めない手はない! ということで、ゼロから始める冷凍保存のハウツーをまとめてみました。

■まずは冷凍保存に必要な道具をそろえよう

食品の品質が劣化する原因は、「温度」「湿度」「酸素」などさまざまなものがあります。その原因をシャットアウトする道具を駆使して保存すれば、長くおいしさを保つことができます。まずは適切な冷凍保存のために、こんな道具をそろえておきましょう。

ラップ

食品の品質を損ねる酸化を防ぐための「包む」アイテム。冷凍保存にはなくてはならない存在です。

冷凍用保存袋・保存容器

冷凍用保存袋は、袋の中の空気を抜くことで食品の酸化を防止し、かつ熱伝導率が高まるので急速冷凍に役立ちます。
さらに保存袋も保存容器も、保存時の乾燥や液もれ、におい移り防止に役立ちます。

ペーパータオル

食品の表面についた水分も品質劣化の原因のひとつになります。水分を取り除くには、ペーパータオルの活用が便利。

金属製トレイ

金属製のトレイは熱伝導率が高いので、トレイの上に食品をのせて冷凍庫に入れると一層スピーディに冷凍することができます。

■長くおいしく食べるための冷凍保存と解凍のコツ

道具をそろえたら、いよいよ冷凍保存の準備に取りかかります。冷凍による品質の劣化を防ぐためには、冷凍前の準備が大切です。さまざまなコツがあるので、ぜひ実践してみましょう。

新鮮なうちにすぐ冷凍

食品のおいしさをキープしたまま冷凍保存するには、何よりも食品の鮮度の良さが大切。購入した食品を数日冷蔵庫に置いてから冷凍すると鮮度が落ちてしまうので、購入したらすぐに冷凍保存するようにします。

薄く切り、厚みは均等に

凍るまでの時間を短くするために、食品は薄く切ります。また解凍ムラを防ぐために、食品の厚みは一定にします。

水分を拭き取る

冷凍保存の際、食品に水分がついていると霜がつくなど品質劣化の原因になったり、肉や魚は臭みの原因になったりします。ペーパータオルでしっかり水分を拭き取ってから冷凍保存します。

ラップ+冷凍用保存袋のダブル密閉

冷凍保存中の乾燥やにおい移りが気になる食品は、ラップに包みさらにジッパー付きの冷凍用保存袋に入れる“ダブル密閉”をすると安心です。

空気を抜いて冷凍する

食品が空気に触れると酸化して品質が落ちたり、保存袋の中に空気が入っていると熱伝導率が低くなり急速冷凍しづらくなったりします。ラップの中や保存袋の中の空気はしっかりと抜いて冷凍保存しましょう。

急速冷凍する

食品が凍るまでの時間が短いほど、品質の維持が期待できます。食品は保存袋に薄く小分けにして入れる、熱伝導率の高い金属製トレイの上にのせて冷凍する、冷凍庫の急速冷凍機能や温度設定の「強」を活用するなどして、一気に食品を凍らせます。

生鮮食品を冷凍する時の下ごしらえ

食品の種類によっては、冷凍保存する前の下ごしらえが必要です。

野菜…生のまま、塩もみ、マッシュ、ブランチングなどの方法があります。ブランチングとは、かたゆでや蒸しなどの加熱処理を行うことで、変色を抑え殺菌や鮮度維持などに役立つ処理のことです。

肉・魚…肉は氷水にくぐらせて表面に膜を作ったり、下味をつけたりしてから冷凍保存します。魚は内臓を取り除き、水分をよく拭いてから冷凍保存します。

調理品の冷凍保存は?

カレーやシチューなどは、冷まして中のじゃがいもをつぶしてから保存袋で急速冷凍。揚げ物は油をよくきり1個ずつラップに包んで保存袋に入れます。チャーハンやパスタなどの主食類も、粗熱をとってから冷凍保存できます。

冷凍保存した食品を食べる時に必要なのが、解凍のプロセス。
ここで失敗すると、せっかく状態よく保存した食品のおいしさを台無しにしてしまうので注意が必要です。

おすすめは自然解凍

生鮮食品は、冷蔵庫で半日~1日かけてゆっくり解凍するのがベター。
味が落ちにくくなります。室温では3~4時間かけて自然解凍します。

急ぐ時は電子レンジ&流水解凍

電子レンジは早く加熱が進むため、状態を見ながら少しずつ解凍します。
また肉や魚を早く使いたい時は、食品を保存袋に入れたままボウルに置き、流水をあてて解凍することもできます。

冷凍のまま調理もOK

ブランチングをした野菜などは、凍ったままゆでる、煮るなどの調理に使うこともできます。
また餃子、コロッケなどの調理品も冷凍のままの調理に向いています。

■冷凍庫の中でおいしさをキープする

食品を冷凍する準備が整ったら、冷凍庫での急速冷凍&長期保存を行いましょう。食品を急速冷凍する時に注意したいのは、冷凍庫の中でストックしている食品のそばで凍らせないこと。まだ凍っていない食品の熱が移ってしまい、ストックしている食品の温度が上がって劣化が進んでしまいます。

食品が完全に凍ったら、冷凍庫のストックスペースに保存します。食品は縦に置くと、どこに何があるのか把握しやすくなり、省スペースにもつながります。金属製のブックスタンドで仕切れば位置が固定でき、より冷えが回りやすくなります。

(ひとくちメモ)
  • いくら冷凍保存でも、永遠に食品のおいしさをキープできるわけではありません。以前のWNNで「食品の棚おろし」について紹介しましたが、冷凍庫内の食品は1ヵ月に1回棚おろしを行い、冷凍保存している食品もなるべく早く使いきるようにしましょう。

参考文献
徳江千代子監修(2017)『もっとおいしく、ながーく安心 食品の保存テク』 朝日新聞出版
岩﨑啓子(2013)『改定版 無駄なくスピードクッキング! 冷凍保存節約レシピ』 日本文芸社
島本美由紀(2010)『時間もお金も上手に節約 ムダなし! 冷凍庫活用ライフ』 ソフトバンククリエイティブ

※本レシピが掲載されていたモッタイナイキッチンは2022年10月にワケルネットへ統合されました。本レシピは統合される前にモッタイナイキッチンで公開された情報となります。