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ワクワクできる農業6次化を  レタスジャパン

ワクワクできる農業6次化を
レタスジャパン

枝豆の仕事は、7月が最も忙しい

「すいません、これから枝豆の種まきなんです。先週の大雨で流れてしまったので撒き直さないと」。大友裕貴さんは、慌ただしい状況をそう申し訳なさそうに説明します。2月に種まきした枝豆の収穫がスタートするのが7月上旬。種まきは一週間ごとに五月雨式で行われ、収穫は10月上旬まで続きます。取材に訪れた7月末は、種まきと収穫が重なる、1年で一番の繁忙期。大友さんをはじめとするレタスジャパンのメンバーは、収穫後の茎の処理や水くみなど、種まきの準備に追われていました。

枝豆をはじめとする豆類は、根粒菌の働きで栄養となる窒素を自ら作り出すことから、“土壌を改良する作物”としても知られます。土作りは、その豆が富ませた土壌を有機質でサポートすることが中心。豚糞堆肥とアミノ酸を主成分とした液肥を加えることで、より甘く味の濃い枝豆になるよう調整しています。これから蒔くという種を見せてもらうと、なんと目が覚めるようなショッキングブルー!「実は撒いた種を鳥が食べてしまわないよう、鳥が忌避するという青色にコーティングしているんです。一緒に発芽促進に効くとされる納豆菌も混ぜてあるんですよ」との説明に、ほっとしつつ納得です。

後ろ盾のないスタートもフットワークは軽く

レタスジャパンは先の大友さんに加え、三浦来喜さん、大友雄平さん、酒井佑弥さんの4人からなる営農チーム。裕貴さん・雄平さんの兄弟と、裕貴さんの同級生だった三浦さん、雄平さんの同級生だった酒井さんという、全員が気心の知れた同士です。現在は枝豆のほかブロッコリーやレタス、長ネギ、キャベツなどを3haの畑ですべて露地栽培しているそう。メンバー全員が30歳前後という若さであること、そして「別に“家業が農業”というわけではなく、全員が脱サラ組」という、思い切りの良さに驚かされます。ちなみに畑のほとんどは借地ですが、もとは農家の高年齢化による耕作放棄地。土地の所有者からすれば「土を手入れしてくれる借り手はありがたいばかり」という状況で、地域活性にも一役買っている様子です。

「レタスジャパン」の皆さん。左から酒井佑弥さん、大友裕貴さん、大友雄平さん、三浦来喜さん

”B級品”を処分するのはモッタイナイ

レタスジャパンの活動内容は、これら農業だけに留まりません。採れた作物で作ったメニューを提供する飲食業も展開中です。「例えば枝豆なら、鞘に傷がついたりした“B級品”を、すべて加工にまわすことができる。通常は廃棄するか、タダ同然の価格で処分しなくてはいけないところを、新たな付加価値をつけて利益を出せる仕組みにしているんです。そういう材料を贅沢に使えるから、うちで提供している“ずんだスムージー”はすごく濃厚なんですよ(笑)」。現在は「サプールカフェ」「バブルワッフルKai(カイ)」「スムージー&カスタムサラダOLUOLU(オルオル)」という3業態で、畑直送の新鮮野菜をさまざまなメニューに仕立てて提供しています。

この土地に長年培われてきた農業のノウハウと、若者ならではのアンテナ感度が融合されることで誕生した、新たな営農のカタチ。その先の展開を想像するだけでついワクワクしてしまいます。