プラスチック

ホテルメトロポリタン 仙台 ロビーラウンジ シャルール 副支配人 荒川 季絵さん、 総支配人室 小畑 美咲さん

2022.02.07

近年、外出の際に飲み物をマイボトルに入れて持ち歩く人は珍しくなくなりました。PETボトルの排出が減らせるし、何より経済的なのが嬉しいところです。そんな“マイボトラーさん”に、耳よりな情報が舞い込みました。
JR仙台駅隣のホテルメトロポリタン 仙台、そして系列のホテルメトロポリタン 山形で、マイボトルを持っていくとホテルで淹れたコーヒーや紅茶をお得にテイクアウトできるサービスがあるというのです。
カフェやコンビニエンスストアでのマイボトル対応はよく知られますが、ホテルでの対応は仙台では珍しい試みです。どのような背景があって、マイボトルでの提供を始めたのでしょうか? ホテルメトロポリタン 仙台の荒川さんと小畑さんにお話を聞きました。

左から、ホテルメトロポリタン 仙台 ロビーラウンジ シャルール 副支配人 荒川 季絵さん、総支配人室 小畑 美咲さん

JR仙台駅隣のホテルメトロポリタン 仙台、そして系列のホテルメトロポリタン 山形で、マイボトルを持っていくとホテルで淹れたコーヒーや紅茶をお得にテイクアウトできるサービスがあるというのです。
カフェやコンビニエンスストアでのマイボトル対応はよく知られますが、ホテルでの対応は仙台では珍しい試みです。どのような背景があって、マイボトルでの提供を始めたのでしょうか? ホテルメトロポリタン 仙台の荒川さんと小畑さんにお話を聞きました。

—ホテルで実施しているドリンクテイクアウトサービスは、どんな取り組みですか?

荒川さん
「ホテルメトロポリタン 仙台では、1階ロビーラウンジ『シャルール』と2階レストラン『セレニティ』で実施していまして、マイボトルをお持ちいただくと、シャルールオリジナルコーヒーやフランスの紅茶ブランド『NINA’S』の紅茶を、お手頃な価格でご提供するというものです。通常、店舗でお召し上がりいただくと1杯900円のコーヒーが、テイクアウト1杯だと350円、30杯のサブスクプランだと1杯あたり約120円でお召し上がりいただけます。」

ドリンクテイクアウトサービスは、出勤前や帰宅途中などさまざまなシーンで利用されています

―かなりお得になりますね。マイボトルでの提供は、ホテルでは珍しいように思うのですが、なぜ始めたのですか?

荒川さん
「もともとは、ご宿泊のお客様を中心に『コーヒーや紅茶のテイクアウトはできないですか?』というお声をいただいていたこともあり、提供の仕方を検討していました。当初は通常のテイクアウト用カップでの提供も検討したのですが、SDGsの観点からプラスチックの使用を抑制するために、マイボトルでの提供というスタイルになりました。」

―実際にこのサービスを利用されるのも、宿泊客が多いのですか?

荒川さん
「当初予想していたお客様の層とは違っていて、『シャルールをはじめて利用した』という方も多くて、このサービスがホテルに足を踏み入れるきっかけになったというお客様もいらっしゃいます。30代~40代の女性が多いように感じます。」

小畑さん
「弊社を運営する仙台ターミナルビル株式会社は、ホテル事業部と別にショッピングセンター『エスパル』を運営しておりまして、ホテルとエスパル仙台店の相互送客の一環としてこの取り組みを進めています。エスパル仙台店のタンブラー(マイボトル)を取り扱う一部ショップ(※)に、ドリンクテイクアウトサービスのチラシを置いていただいています。そのショップでマイボトルをご購入していただくと、ご購入いただいたマイボトルにテイクアウトドリンクを1杯無料でご提供するキャンペーンも行っておりまして、その影響も大きいようです。」

(※対象ショップ:エスパル仙台 本館1F無印良品、本館3Fプラザ、東館3Fカネイリスタンダードストア、東館4F東急ハンズ、Ⅱアフタヌーンティーリビング)

ホテルメトロポリタン 仙台に隣接してエスパル仙台店があり、互いにアクセスがしやすい立地です

―ホテルでのプラスチックの使用を抑制するだけでなく、マイボトル利用を促進する取り組みでもあるのですね。想像していた以上の広がりを感じます。

小畑さん
「ホテルで使用するワンウェイプラスチックの削減に関する取り組みは他にもありまして、たとえば、シャルールでも使用しているストローは、とうもろこしを原材料としている生分解性プラスチックに切り替えています。」

―ストローを使わせてもらいましたが、見た目や使い心地は従来のストローと全く変わらないので驚きました。他にも、脱プラスチックの取り組みはありますか?

小畑さん
「こちらはJR東日本ホテルズ全体での取り組みになりますが、2022年3月までに、ホテルで使用しているワンウェイプラスチック製品8品目をすべて代替素材に変更、または廃止することにしています。」

―具体的には、どんな製品ですか?

小畑さん
「客室のアメニティではヘアブラシ、くし、かみそり、シャワーキャップ、飲食事業ではテイクアウトで使用しているマドラー、スプーン、フォーク、ナイフの8品目になります。また歯ブラシについても代替素材の検討・検証を進め、順次実施していく予定です。
こちらは、今年4月から施行される『プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律』を受けて、プラスチックの資源循環のために適切であると判断したために実施するものです。現在は実施に向けて代替素材に変更する際の製品の選定等を行っています。」

―有償での提供やお客様に繰り返しの利用を促す選択もあったと思いますが、ワンウェイプラスチックは使用しない方針とされるのですね。マイボトルの利用促進からアメニティ・テイクアウト用カトラリーまで、プラスチックの使用抑制や資源循環に向けて、ホテル全体でさまざまな取り組みを実施されているのが分かりました。ありがとうございました。

※ドリンクテイクアウトサービス・ドリンクチケットサービスは2022年3月31日まで提供予定です

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