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黒N「ECO」ヤマトから広がる「ECO」の根~ヤマト運輸 仙台宮城野営業所~

 こんにちは。ワケルキャンパスです。今回は日本の物流業界を支えるインフラ企業の一つであるヤマト運輸株式会社さんへ取材に行ってきました。
 運送業者はその特性上、車両やドライアイス、紙、段ボール等の使用をしています。ヤマト運輸でのドライアイス年間使用量は、全国で使用される総量の約20%、ダンボールの使用量は約2%を占めています。車両台数も多く、全国の車両総数の約3%を保有していることから、車両から排出される排気ガス、CO2の量も必然的に多いということになります。
 ヤマト運輸ではこのような現状を受け止め、持続可能な社会を実現する、環境に配慮する取り組みを企業として積極的に行っています。その中でも私たちが特に興味を持った取り組みを紹介します。
 現在、温室効果ガス排出量の削減をするため、ドライアイスの使用量や運送するための車両のEV化、太陽光発電設備の設置など、環境維持に必要なことを企業として積極的に取り組んでいることを知りました。

ドライアイス、紙資源に対する環境対策について

 ヤマト運輸では輸送時には蓄冷材を使用するクールコンテナを使用、配送時には徹底した温度管理でドライアイスの使用を抑えCO2の排出量の抑制を進めています。
 また、ネコピットという送り状などを発行できる端末の利用促進により、紙類のリサイクル率は37.8%まで向上しているという実績があります。

実際に使われているクールコンテナ

車両台数が多いがゆえの問題である排気ガス、CO2の排出に対する環境対策について

 荷物を一度で受け取り再配達が減れば、排気ガスやCO2の排出量削減つながります。再配達量が多いことによって、車両を使う機会が多くなることに加え、配達するスタッフにとっても負担となることが問題点として挙げられていました。そこで公式LINEやメールによって配達日の指定やお知らせ、配達日の変更などができるようにし、一度で荷物を受け取れることでお客さまの利便性向上に加え、再配達の削減にもつながります。これにより燃料使用量を削減し、年間で二酸化炭素排出量が削減したそうです。しかし、今後の課題としては、このサービスを広く周知していくことです。
 また、電気自動車(EV)の導入も今後予定しています。電気自動車は排気ガスやCO2を排出しないため、配達の手段として実用化すれば、地球環境を維持するための策として革新的だと感じました。

その他

1.社内で行っている環境対策について
 ヤマト運輸では社内で働く方々に向けて、環境問題を意識できるような取り組みも行っています。企業全体で環境問題に取り組む姿勢が印象に残っています。(例、全ての電気スイッチの上に定期的に電源offを促すシールが貼ってある。全てのゴミ箱にゴミの分別を促すポスターが貼ってある。計画停電を行っており、荷捌所をブロックに分け、夜間における完全消灯時間を設定してあるなど)

2.ヤマト運輸で行っている障がい者雇用と交通安全講座について
 クロネコヤマトでは障がい者の雇用も積極的に促進しています。実習などを重ねて入社を決意した方々をサポートしており、2023年4月では障がい者雇用率が3.15%であることが分かりました。
 また、営業では公道を使用していることから、安全の大切さを子供たちに教える交通安全講座も行っています。

質疑応答

 営業所内の見学を終えたあと、見学を担当していただいた佐藤さん、山崎さんに質問に答えていただきました。

            質問            回答
機密文書をリサイクルするためのECOBOXの価格設定が高いように感じるのだが、どのような費用が掛かっているのか。集荷から運搬、溶解、リサイクルへの工程すべてに費用が掛かっているためその分のコストが反映されている。
未開封のまま100%溶解させるため、情報漏洩の心配はなく、完全リサイクルされている。
ドライアイスの消費量が全国中の2割を占めているが対策はしているのか。使用量を減らすために蓄冷剤を代用し、これまでの総使用量から毎月20%の削減に成功している。
現在電気式のクールボックスを開発。
ヤマト運輸として知的障がい者の子供の進路指導研究会に参加する理由は。クロネコヤマトの宅急便の生みの親である小倉昌男の福祉への想いが強く、私費を投じて公益財団法人ヤマト福祉財団を設立し、心身に障がいのある人々の自立と社会参加を支援している。
また、ヤマトグループ全体で障がい者の自立と社会参加の支援を目的に雇用を続けている。

感想

 私たちはヤマト運輸株式会社さんにインタビューを行い様々なことを教えていただきました。環境に負担をかけないようにするためにペットボトルのキャップ回収、配達トラックの電気自動車導入、ごみの分別の徹底、節電への意識など多くの取り組みが行われていました。常にSDGs(持続可能な開発目標)を意識し、物流の2024年問題への対策(再配達防止対策など)も事前に取り組んでいてとても驚きました。これからも環境問題への対策を積極的に取り組んでほしいと思うと同時に、私たちもこの取り組みに協力していきたいです。
 ネットなどで商品を注文するときは時間指定を利用して再配達とならないようにするなど環境負荷を減らしていきたいと思いました。