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食品ロス削減講座「おうちde食ロスゼロキッチン実践講座」イベントレポート

 2025年11月22日(土)、仙台市ガス局ショールーム ガスサロン キッチンパレットを会場に、身近なところから食品ロスを減らすヒントを紹介する講座「おうちde食ロスゼロキッチン実践講座」が開催されました。

 今回は、栄養価が高く手軽に食べられる一方、すぐに熟して黒ずみ、廃棄されてしまいがちな定番食材「バナナ」をおいしく食べきるバナナレシピをレッスンしました。講師を務めてくださったのは、せんだい食エコリーダーで、料理研究家の中村美紀先生です。中村先生が醸し出すアットホームな雰囲気のなか、7組の親子がバナナを使ったスイーツづくりを楽しく体験しました。

“ミキティママ”の愛称でも知られる中村美紀先生。
料理教室「Cooking Studio I-e」を主宰、プライベートでは4人のお子さんのママでもあります。

食べきれなかった完熟バナナを活用して食品ロスを削減!

 はじめに、イベントを主催する仙台市環境局から食品ロスの現状についての説明がありました。「まだ食べられるのに捨てられる食品『食品ロス』は、日本で年間約464万トン。国民1人あたり毎日約102g(おにぎり約1個分)が捨てられています。また仙台市では家庭から出る食品ロスの量を調査していますが、令和6年度、全く手つかずのまま捨てられていた食品は約4,000トンという推計が出ています。」

 特に、手つかずのまま捨てられている食品の内訳は、野菜や果物が半分以上を占めているとのこと。今回のテーマ食材であるバナナも、熟して黒くなると廃棄の危機にさらされやすい傾向があります。

 そこで中村先生は、少しだけ余ったバナナをおいしく使いきれる焼き菓子「ノンバターのバナナブレッド」「バナナのチョコチップドロップクッキー」のレシピを考案。バナナを焼き菓子にすれば日持ちが大幅にアップ。皮にシュガースポット(黒い斑点)がある完熟バナナなら、強い甘みをスイーツの風味として楽しめます。しかも、2つともワンボウル&3ステップで作れる簡単レシピです。放課後、自宅に帰ったお子さんが「おなかすいた!」と言ってからでもすぐに作れる手軽さも魅力です。

「ノンバターのバナナブレッド」(左)と「バナナのチョコチップドロップクッキー」(右)

レシピはこちら!

親子で料理体験!簡単バナナスイーツを作ろう

 調理を始める前に、まずは中村先生がデモンストレーションを行いました。先生が作り始めると、テーブルを囲んでお子さんたちが食い入るように手元を見つめていました。時折「バナナとブラウンシュガーって合うんだね!」「米粉ってお米の粉なの?!」などの声も上がり、先生のバナナレシピには新しい発見がたくさんあったようです。

お子さんたちと先生が会話しながらデモが進み、和気あいあいとした雰囲気に。

 中村先生のデモが終わったら、それぞれのテーブルに戻って調理が始まりました。各テーブルには、食品ロス削減に向けて情報発信を行う「せんだい食エコリーダー」の養成講座で学ぶ受講生が配置され、参加者をサポートしました。

 受講生と保護者に見守られながら慎重に卵を割る子、左手を“猫の手”にしてバナナを切る子、ボウルに残った生地をゴムべらを使って残さず型に流し込む子など、どのお子さんも中村先生に教わったことを守りながら、積極的にバナナブレッドとクッキーづくりに取り組んでいました。

お子さんたちが、さまざまな調理工程を丁寧にこなしていきました。

 さらにこの講座では、調理だけなく、使い終わった調理道具を洗うこと、汚れたテーブルを拭くこと、ごみを分別して捨てることも親子で学びました。お子さんが普段食べている家庭の料理には、“作る”以外にも多くの工程があることを、体験を通して知る機会になりました。

洗い物からごみの分別まで、さまざまなことを体験しました。

好き嫌い克服につながる子どもの味覚のお話

 バナナブレッドとクッキーの生地をオーブンで焼く間、中村先生から「子どもの好き嫌い」についてのお話がありました。甘味・塩味・うま味は好まれますが、苦味・酸味・えぐ味・辛味が苦手な理由は、危険な食べ物を味で察知する自己防衛が働くためだそうです。

実体験を交えて、好き嫌い克服のお話をしてくれた中村先生。

 「年を重ね、経験や社会性が育てば食べられるものは増えていきます。時期が来れば必ず食べられると信じて、食卓に出し続けることが大切です」と中村先生は話します。苦手な食材でも調理法によって味が変化し、おいしく食べられることがあります。成功体験を重ねることで少しずつ苦手を克服できるという先生の言葉に、保護者の皆さんは大きくうなずいていました。

焼き上がりに広がるバナナの甘い香りに笑顔♪

 いよいよバナナブレッドとクッキーの完成です。オーブンを開けると、部屋中にバナナの甘い香りが広がりました。皆さんで試食すると「おいしいです」と大好評!残ったバナナブレッドとクッキー、そして今回作ったレシピはお土産として持ち帰りました。

簡単レシピで完熟バナナがおいしいバナナブレッドとクッキーに生まれ変わりました。

 黒くなって捨てられてしまいがちなバナナがおいしく変身する体験を通し、講座の最後には「料理が前より好きになったよ!」と多くのお子さんが笑顔で手を挙げてくれました。

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<参加者の声>

・バナナが1本余っちゃうことはよくあるので、そういう時にこのレシピを活用したいです。いつもお兄ちゃんと弟とお菓子作りをするとお兄ちゃんが作ることが多くなってしまうので、今回は弟だけで全部作りきることができて満足そうでした。(母)

・クッキーの形を作るところがおもしろかったです。(小学1年生)

・バナナが余った時は冷凍してアイスにすることはしていたのですが、次は今回のレシピに挑戦してみたいです。子どもたちが思ったよりも自分で動いて作っているのを見て頼もしく感じました。(母)

・バナナのクッキーを作るのは初めてでした。バナナをつぶすのは少し難しかったけれど、全部作ることができて、完成したクッキーはおいしかったです。(小学2年生)

・黒くなったバナナを好んで食べることはなかったので、今回無駄にせずおいしく作れるレシピを知ることができて良かったです。(母)

・バナナを切るところが少し難しかったけれど、生地を混ぜるのは楽しかったです。(小学1年生)

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<中村先生より>

きっとお母さん方は、お子さんに料理をさせたいと思うけれど、忙しくてなかなか機会を作ってあげられないことが多いと思います。そんななかで今回、親子一緒に料理を作る機会を持てたことに嬉しく思います。どのお子さんも、みんな頑張ってくれましたね!また料理は作るだけでなく、洗い物やテーブル拭き、ごみの分別まであることをお子さんに体験してもらいました。いつもお母さんやお父さんが当たり前のようにやってくれることに感謝できるようになったらいいな、と思っています。

中村先生(右から3番目)とせんだい食エコリーダー養成講座受講生の皆さん。