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ごみ収集の現場から①

普段何気なく捨てているごみ。出す側は「捨ててしまえば終わり」と思いがちですが、しかし”ごみのその先”に携わる人たちがいます。すみやかにごみ収集し、種類別に適切な処理をする。そこでどんなことを思い、感じているのか。このシリーズではそんなごみ収集の現場に携わる人たちにお話をうかがいました。

協業組合 仙台清掃公社 結城勇貴さん

―結城さんは主にどんなお仕事を担当されているんですか?

「宮城野区の家庭ごみを担当しています。1日の収集作業の合間に市の工場へ4回ほど搬入しながら、200カ所の集積所をまわっています」

―収集のときに気を付けていることは何ですか?

「ごみ収集に使用するパッカー車は、見ていただくとお分かりかと思いますが、一歩間違えると巻き込みの危険があります。下手すると命にかかわりますから、その点は常に気を付けていますね。あとはごみを持ち込みされた方への元気なあいさつでしょうか。今は特にマスクで表情がわかりづらいですから、元気に声を出してごあいさつするように心がけています」

―「ごみ出しの際に気を付けて欲しい」と思うことはありますか?

「少量の植木の枝(せん定枝)は1回につき1束(直径30cm以内、長さ80cm以内)にまとめて、包丁などの刃物は、厚手の紙などに包んで家庭ごみ指定袋に「危険」と書いて出していただけるようお願いします。また気に留めて欲しいのが”ライターの処理”です。ライターは『家庭ごみ』として出すことができるのですが、そのままでは、収集中の火災につながる危険があります。出すときは”ガスを出し切った後に水につける”という処理をしてから出していただけるとありがたいです」

―ごみ収集のときに気を付けていることは?

「朝の収集は特に出勤や登校の時間帯と重なることが多いんです。その場合、住宅地の狭い道路などですれ違えず立ち往生してしまうことも少なくありません。できるだけご迷惑にならないよう、こちらもルートを調整したり、すみやかに作業するようにするなど留意しています」

―ごみ収集をしていて心に残ったエピソードがあれば教えてください。

「コロナ禍に入ってさまざまな活動が自粛される中、私たちは”エッセンシャルワーカー”として変わらず仕事をしなくてはいけない状況にありました。また自宅での時間が増える中で家庭ごみの量も増えていましたから、作業量も増え状況はハードになっていました。そんな中、お子さんから”感染リスクのある中で、お仕事を続けてくれてありがとう”という感謝の手紙をいただきまして。モチベーションアップになりましたし、今でもその手紙は事務所の見える場所に貼ってあります」

―そのほかごみ出しについて留意点があればお願いします。

「4月から製品プラスチックを”プラスチック資源”として収集することになりました。例えば柔軟剤などの容器は、これまで家庭ごみの日の収集でしたが、プラスチック資源の日に収集することになります。このとき気を付けていただきたいのが”中身を空にする”こと。中身が入ったままではリサイクルに回すことができません。液体は新聞や古布などに吸わせて”家庭ごみ”として出していただけるとうれしいです」

―今後の目標があれば教えてください。

「近年はSDGsで、”ごみを減らす””資源としてリサイクルする”という意識が高まってきていますが、実際に現場に関わっている視点で見ると、まだまだできることは多いと感じています。そうした点を日常から意識づけできるよう、自分にも何かできることはないかなと。ひいてはごみ収集に対するイメージ向上がもっとできればいいな、と思っています」

―ありがとうございました。