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ごみ収集の現場から②

普段何気なく捨てているごみ。出す側は「捨ててしまえば終わり」と思いがちですが、しかし”ごみのその先”に携わる人たちがいます。すみやかにごみ収集し、種類別に適切な処理をする。そこでどんなことを思い、感じているのか。このシリーズではそんなごみ収集の現場に携わる人たちにお話しをうかがいました。

協業組合 仙台清掃公社 伊藤柊平さん

―伊藤さんは主にどんなお仕事を担当されているんですか?

「国分町を中心とした事業ごみ収集を担当しています。特に国分町は夜の飲食店から出るごみが多いので、収集スタートは朝5:00から、と早いんですよ。その後、宮城野区の法人様を回って、14:00頃に一日の業務が終了します」

―事業ごみは家庭ごみとどんな違いがありますか?

「特に飲食店から出る生ごみはかなり重いんです。ひとつの袋に7㎏までを目安としてお願いをしているのですが、たまに上限を超えたごみが入っていて、収集中袋が破けてしまうことも。逆に”このごみは〇㎏です”と張り紙をしてくれる事業者様もいて、収集側にとっては非常にありがたい限りです」

―ゴミ収集をしていて心に残ったエピソードがあれば教えてください。

「事業ごみは、たまに予想のつかないものがごみとして出されている場合があります。過去にびっくりしたのは”マネキンの頭部”。ごみ袋から髪の毛らしきものがはみ出ているのが見えて、何か事件があったんじゃないかと…。瞬間『自分も目撃者として調書をとられることになるかもしれないと』と焦りました(笑)」

―ゴミ収集のときに気を付けていることは?

「基本的に事業ごみは、家庭ごみのように『集積所』があるわけではなく、建物単位で一軒一軒訪問して収集します。ですから出される側が『収集時間に間に合わない』という場合、収集できる時間にあわせて再訪することになります。決まっている収集ルートを、その場その場で微調整しながらやりくりするのですが、後行程に支障を出さないために、瞬時に調整するためエリアの地図を頭に叩き込んでいます」

―4月26日からはじまる「全国都市緑化フェア 未来の杜せんだい2023~Feel Green~」にも協力をされていると聞きました。

「仙台市が花でいっぱいになり、憩いの場となるフェアです。当然ごみが散らかっていては台無しですから、会場となる定禅寺通などでは通常収集に加えてチャーター便を追加するなど、体制を変更して臨みます。またファスナー付ネットを導入し、カラス等の被害にあわずごみ出しできるよう、仕組みを改善しているところです」

―今後の目標があれば教えてください。

「スムーズなごみ収集のために、収集ルートの最適化が必要です。特にコロナ禍後は、事業者様の入れ替わりも多く、”どの場所にどの事業者様がいるか”という地図を、常にブラッシュアップする必要があります。そうした情報収集を怠らず、すみやかな収集作業ができるよう努めていきたいと思っています」

―ありがとうございました。