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小売の現場から広がるSDGs──仙台ロフトの“できることから始める”環境活動
“ロフトらしさ”で進める『仙台ロフト』のサステナブルな取組
「雑貨のチカラで、暮らしと地球をしあわせに。」というスローガンのもと、人と環境にやさしいサステナブルな活動を展開している株式会社ロフト。“ロフトらしさ”を活かした「ロフト グリーンプロジェクト」に取組んでいます。
JR仙台駅前に店舗を構える『仙台ロフト』では、2021年から使用済みコスメ容器や使用済み筆記具の回収リサイクルプログラムを展開しています。最近では、期間限定で使用済み繊維製品の回収リサイクルにも取組み、ぬいぐるみを中心とする繊維製品を回収し、再利用への“ハブ”の役割を担いました。繊維製品の回収リサイクルは利用状況などを分析し、アップデートしたかたちで今後も実施される予定です。
さらに今年度は、“使い捨て減量”“資源やごみの適切な排出”といった視点を加えた新たな取組も行っています。サステナブル活動を担当する仙台ロフトの五十嵐 淳司さんに、活動の内容についてお話をお聞きしました。
小型充電式電池の正しい排出、マイボトル・マイバッグの利用を広めるために
今年7月から実施しているのが、リチウムイオン電池などの小型充電式電池を内蔵した製品の適切な処分方法について周知する活動です。
近年、充電池として急速に普及してきたリチウムイオン電池は、破損や変形により燃えやすい性質があります。製品に内蔵されたままの使用済みリチウムイオン電池を家庭ごみ指定袋やプラスチック資源指定袋に入れて出すと、ごみ収集時やごみ処理施設での処理時に圧迫されることで発火し、火災事故につながるおそれがあります。
仙台市では、火災事故を防ぐ目的として、2022年から「缶・びん・ペットボトル、廃乾電池類」の収集日に小型充電式電池の収集を行っています。製品から取り出した使用済み小型充電式電池はもちろん、電池の取り出しが難しい製品(モバイルバッテリー、ハンディファンなど)はそのまま、収集日に集積所に配られる黄色の回収容器に出すことができます。『仙台ロフト』では、多くの市民に正しい捨て方を伝えるために、仙台市と連携して啓発パネルの掲出を行っています。
五十嵐さん
「仙台市提供の啓発パネルを、テナント各店の協力のもと、全館の店頭に設置して、適切な処分方法への道筋を示しました。私自身、リチウムイオン電池や充電式の製品は手軽に手に入れられるのに、どうやって捨てるのかが今ひとつ分かっていないと常日頃から感じていました。販売員として、売った後のことも気になってしまって…。だから使い終わった後の出口を示せたことで、発火事故の危険性という消極的なイメージを軽減し、お客様により安心して購入していただくことができるのではないかと期待しています。」
『仙台ロフト』の売場だけでなく、各テナントでもパネルを掲出してもらえるよう奔走した五十嵐さん。掲出は館内の『無印良品』『ニトリEXPRESS』『島村楽器』『iCracked Store』にも広がっています。
また、パネル掲出による啓発活動は、小型充電式電池に関することだけではありません。10月からは、マイボトル・マイバッグの利用促進のためのパネルも掲出しています。「ごみを減らすこと」は特別なことではなく、毎日の暮らしの中から始められる、そんな気づきを与えてくれます。
店頭からバックヤードまで。事業ごみを正しく分別する意識改革
『仙台ロフト』のサステナブル活動は、店頭からさらにバックヤードへと広がっています。小売店として事業を行ううえで、段ボール箱や緩衝材、販売スタッフの休憩時に出るごみなど、処分しなくてはならないものは必ず出てきます。それらを“事業ごみ”として正しく分別するための講座が、今年10月に実施されました。
五十嵐さん
「講座を開こうと思ったきっかけは、スタッフが利用する休憩室のごみ問題でした。休憩室は『仙台ロフト』の従業員と各テナントの販売員が食事などで利用する場所ですが、ごみの分別がなかなか徹底されないという背景がありました。2年前にもごみの分別について講座を開いているのですが、異動などでスタッフの入れ替わりがあると、意識づけも薄らいでしまいます。そこで、これまでの取組を再度見直すために講座を開くことにしました。建物から出るごみはすべて1ヶ所に集積されるので、『仙台ロフト』以外のテナントにも参加を促し、地下2階から8階まで全館をあげての講座開催となりました。」
この講座で五十嵐さんが一番伝えたかったことは、事業活動によって出される事業ごみと、家庭から出される家庭ごみの分け方の違いです。家庭ごみは「家庭ごみ」「プラスチック資源」「缶・びん・ペットボトル、廃乾電池類」などに分別します。一方、事業ごみは「産業廃棄物(20種類)」「事業系一般廃棄物(資源物および可燃ごみ)」に分かれます。
プラスチック製の緩衝材を処分する場合を例としましょう。これを家庭から出す際は、「プラスチック資源」として赤い指定袋に入れて集積所に出します。一方で事業ごみの場合は「産業廃棄物」となり、廃プラスチック専門の産業廃棄物処理許可業者に処理を委託しなければなりません。
ティッシュの紙箱の場合はどうでしょうか。家庭であれば、“雑がみ”として「紙類」の回収日に出します。一方で事業ごみの場合は「資源物」となり、古紙回収業者などに依頼してリサイクルすることになります(リサイクル可能な紙類を「可燃ごみ」に入れることはできません)。
五十嵐さん
「事業ごみと家庭ごみはまったく異なる分野で、家庭ごみの感覚をもって事業ごみを分別すると、うまくいきません。今回の講座では、身近であってもよく理解できていない事業ごみへの意識をしっかり改めるとともに、ずっと判断に迷っていたり疑問だったりしたケースを具体的に解決するきっかけになりました。この講座の後、課題だった休憩室のごみの分別を徹底するために、ごみ箱に付けた分別表示をより詳しく分かりやすく工夫するなどの改善を行いました。現在では、以前に比べてごみがしっかり分別されており、講座の効果が出ていると感じています。」
『仙台ロフト』全テナント、施設管理業者、建物の警備業者などを巻き込んで実現した講座の実現を経て、五十嵐さんはその成果に強い手応えを感じています。
市民と地域と一緒に歩む、仙台ロフトのサステナブル活動
「できることから始める。環境を考えるきっかけに。」を合言葉に展開している『仙台ロフト』のサステナブル活動。そこには、店舗のスタッフが日常の中でできることを探し、形にしていく姿勢が息づいています。
小型充電式電池の正しい処分方法を伝えるパネル掲出や、休憩室のごみ分別ルールの見直しなど、どれも特別なことではありません。しかし、その一歩一歩の積み重ねが、地域やお客様、スタッフの意識を少しずつ変える大きな力になっています。
「雑貨のチカラで、暮らしと地球をしあわせに。」というロフト全体の想いを、地域に根ざした行動で具体化していく——。それが『仙台ロフト』が大切にしているサステナブルのかたちです。これからも、お客様や地域とともに、身近な場所から環境を考えるきっかけを広げていきます。






